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【税金】滞納処分は虎より怖い? [債務]

学生時代の確か古文の授業の中で「孔子」についての話。

孔子がまだ仕官できずに、弟子をつれて諸国を放浪していた頃、山間部を歩いていた。

ある弟子が「ここは人食い虎が出ると噂がありますので、早く通り過ぎましょう」と師匠に進言しました。
急ぐ孔子一向でしたが、道すがら民家が見えてきました。そろそろ周囲も暗くなってきたので、その民家へ一夜の宿を借りることにしました。

民家の主人家族は快く彼らを迎え入れてくれて、夕食も和やかなうちに済ませました。
話を聞けば、この民家の一家は都市から数年前にここへ移り住んできたといいます。
そこで、孔子先生ふと疑問が浮かんだので、かの主人に聞いて見た。
「ここは人食い虎が出るというではありませんか。なぜあなたはこんな物騒な山の中へ引っ越したんですか?」

そこで主人は答えました。
「町では重い税が課されます。その徴収といったら苛烈そのものでございました。そこでそれを逃れるために、ここへ移ったのですよ」。

孔子は思いました。「なんと人にとって税とは、虎よりも恐ろしいものなのか」と。

この話を思い起こしたのは、あるサイトで次のような質問があったからです。

(以下引用)
私の娘の平成16年度の住民税が未払いとなっており、何度か督促を受け、電話にて分割払いを希望したところ、「分割の支払書」を送るとの返事を受けました。その後も支払書が届かないので、そのままにしておいたところ、ある日突然、個人の口座からいきなり「差し押さえ」とのことで引き落とされました。

 この件を役所に問い合わせて結果、

1.督促を何度か行っているので、差し押さえは問題ない。
2.分割の支払書が届かなかったのに、何の連絡もしなかったのが悪い。
3.個人の口座を差し押さえるのは、法律上問題ない。

との回答でした。

 住民税を支払わなかったこちらにも落ち度はありますが、勝手に個人の預金口座を調査し、何の連絡もなく預金を差し押さえるなんて納得がいきません。このようなことは許されるのでしょうか?

(50代:男性)


 もし、いまあなたが固定資産税なり、市民税なりを滞納していて役所から督促を受け始めているのなら注意してください。

 地方税である住民税が滞納された場合の手続については、地方税法329条以下に規定が置かれています。
これによると
(1) 納付期限後20日以内に督促状を発し(329条1項)
(2) 督促状を発した日から10日以内に税金を納付しない場合には、滞納者の財産を差し押さえることができます(331条)。
差し押さえられた財産は換価され、税金の納付に充てられます。これらの一連の手続を滞納処分といいます。

 また、徴収職員は、滞納処分のために滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、滞納者や滞納者の債務者(預金がある金融機関はこれにあたります)などに質問をし、帳簿または書類を検査し、さらに捜索を行うこともできます(地方税法331条6項による国税徴収法141条以下の準用)。

 これらの差し押さえや質問・検査については、法律の規定に基づいて行われ、裁判所の関与を必要としません。このため、差し押さえの前に裁判所から連絡がくるということもありません。

 たしか、この辺は「議会の承認」を経て行うということになっていたはずです。いわゆる「民主主義」のルールの則っているという理屈になるので裁判所の関与は不要ということになるのでしょう。


市町村によっては、督促状のほかに「催告書」や「来庁要請書」、「差押の予告」といった文書を差し押さえの前に送付することもありますが、これらは各市町村が自主的な税金の納付を求めるために送付するものであって、これらを送付しなかったからといって手続に反するというものではありません。

 ただし、地方税の納付が困難な場合には、地方公共団体の長は、納税者の申請に基づき、納付の猶予や分割による納付を認めることができるとされています(地方税法15条)。また、滞納者に財産がない場合や滞納処分が執行されることによって、滞納者の生活が著しく窮迫する場合には、滞納処分の停止をすることもできます(地方税法15条の7第1項)。さらに、執行の停止が3年間継続すると、納税義務が消滅します(同条4項)。

 質問のケースでは、分割の支払書が届かなかったという事情はあるものの、納付の猶予は本来納税者から申請しなければならないものですから、自治体の担当者が支払書を送らずに滞納処分をしたとしても、処分そのものが不当とまではいえないと思われます。

 一般的な借金も税金も同じ債務であることには変わりません。
 しかし、取り立てのルールが違うので、一般人は戸惑うところでしょう。
 
 税金の場合は、ある程度の予告があるとは言え、ある日突然「預金が消える」といった印象になります。
 そして、現実には消えてお終いとはなりません。
 それは取り立てを受けた債務者の信用情報が棄損され、いままで持っていたクレジットカードが強制解除されたり、新たな借り入れができなくなってしまうという影響がでてくるためです。

 それで、その後最低でも5年くらいはかなりの不便を抱えてしまうことになるでしょう。
 そう考えるのなら、差し押さえられてしまう程度の預金のある方は、さっさと支払ってしまった方が得策だとは考えられます。

 いまの徴税は最初から孔子の時代の「人食い虎」以上には怖くはないのです。
 言い訳さえあれば、分割や延納にも応じてくれます。
 ただし、本性はそのままですので、ほっておくと、やはり「虎」並みに表情をかえて喰いついてくるので、ご用心くださいね。





公正証書は恐ろしさとは?未公開株購入で財産差し押さえ被害 [債務]

公正証書は恐ろしい!未公開株購入で財産差し押さえ被害相次ぐ。

一昨年の12月、証券会社社員を名乗る男から持ちかけられた未公開株の購入話に乗ってしまった都内70代男性が、「未公開株代金の支払いがなければ財産を差し押さえる」との内容の公正証書を勝手に作られ、その財産を差し押さえられた。
同様の被害は少なくとも10数件にのぼるとみられており、今後、一層の警戒が求められている。

【今回の投資詐欺の手口】
1 勧誘電話
まず、証券会社の社員を名乗り、「うちの顧客が2000万円の未公開株を買うにあたって、あなたの名義を貸して欲しい。代金は、うちの顧客が支払うから、あなたは一円も支払わなくていい。お礼はさせてもらう。」と、ターゲットにもうけ話を持ちかける。

2 必要書類等の送付依頼
ターゲットがもうけ話に乗ってきたら、購入する未公開株の譲渡手続きに必要だとの口実で、印鑑証明・実印の押印・身分証明書のコピーを送付させる。

3 公正証書を作成したい旨の通知
ターゲットに対し、「こういったことはきちんとしたいから、今回の契約内容を公正証書にしたい」と伝え、一応の了承を得る。(契約書との違いがわからず了承するケースが多いという)

4 公正証書の作成
上記2にてターゲットが送って来た印鑑証明・実印の押印・身分証明書のコピーを用いて公正証書作成の委任状を偽造。その委任状を公証役場に提出。
公証人に「未公開株の代金として2000万円を支払う。これが履行されない場合は、●●の財産につき、強制執行を認める。」という内容の公正証書を作成してもらう。

5 株券の送付
実際に株券を送り、信用させる。

6 未公開株購入代金の支払請求
代金を支払うはずであった顧客が支払えなくなったとして、代わりに代金を支払うよう請求。

7 ターゲット財産の差し押さえ
ターゲットが、代金の支払いを拒否した場合、公正証書に基づき、その財産を差し押さえる。

※ 未公開株
証券取引所で売買が出来ない種類の株式を指す。もっとも、譲渡価格等の条件面で合意すれば、当事者間での売買は可能である。
証券取引所を通さないため、その取引においては不透明な部分が多く、トラブルや詐欺も後を絶たない。

※ 公正証書
公証人が私法上の権利義務に関する事実(契約・遺言等)について作成した証書を指す。公証人が、元検察官や元裁判官といった高度な法律専門職の公務員によって担われていることから、裁判手続上、公正証書に記載されている内容の信ぴょう性はかなり高く評価される。
仮に、公正証書の中に「未払い等があった場合には、債務者はただちに強制執行に服する」という内容が記載されていれば、訴訟や調停といった裁判手続を経ることなく差押え等の強制執行の申し立てが可能となる。



投資をめぐる詐欺の手口は巧妙化しています。今回のケースでは、実際に株券も送られてくるというから、驚きですが、既に2の段階で実印の印影と印鑑証明書のコピーを送った時点でアウトなのである。
実印はそれ自体では何の意味もないが、それが印鑑登録されて、登録証明書と印鑑の印影が合体された時点で、それが揃った書類は本人があるいは本人の了承のもと作成されたという法律上の推定をもたらす。

つまり、これを他人に預けた時点で何をされても仕方がない状態を作ってしまうことを忘れてはならない。

そして、「公正証書」は法律上「債務名義」と呼ばれるが、これには「強制執行が可能になる文書」という意味がある。
「債務名義」は公正証書のほかに「勝訴判決」の証書がある。

つまり「公正証書」を作るということは「裁判に負けた」と同等の価値があることを覚えておいてほしい。
あくまで「公正」というニュアンスに惑わされてはいけません。

この機会に、ぜひ、皆さんの大事な人に、実印を押す危険性について注意喚起を行っていただきたい。
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被災者は生活を優先してください~住宅ローン返済の例外と災害復興融資~ [債務]

法律上、住宅ローンは債務であり契約上その支払いを義務付けられています。

これは原則。しかし大抵の場合その例外があります。

当事者の置かれる環境や事情の変化に対応するためです。

そして今回の震災はその例外を生む環境にあります。

まず、被災者で現在住宅ローンを抱えている人は、
「当面、住宅ローンの心配をせずに、他にすべきことを優先していい」
と覚えておこう。

 ローン返済が滞ったとしても、被災者の場合は、後で手続きすることで「延滞扱いにならない」からである。

 住宅ローンの場合、個別の金融機関が対応策を決めるのだが、今回複数の銀行に取材をしたところ、阪神淡路大震災のときは被災者に関して延滞扱いにしないことで足並みを揃えていたことがわかった。執筆時点で銀行から正式発表されていないが、阪神淡路大震災の事例が今回の震災にも踏襲されると考えていいだろう。

 ちなみに今回、旧公庫ローンやフラット35を取り扱う住宅金融支援機構と、いくつかの銀行に対応策を問い合わせたところ、いずれも「被災者の方は、住宅ローン返済より身の安全の確保や生活再建を優先していただきたい」というコメントをもらっている。

ローン返済を「延滞」すると、どんな不利益があるのかを知っておきたい。延滞3回目で、個人信用情報センターに「延滞」と登録され(いわゆる“ブラックリスト”)、そうなると新規でローンを申し込んだとき断られる、クレジットカードを新規で作れない、ローンの借り換えができないなどの可能性がある。毎月ちゃんと返済することは、自分の信用を守っていくことにつながるのだ。

 給与の支払いがストップした、銀行口座にお金がなかったなどの理由で住宅ローン返済ができなった人は、少し生活が落ち着いたところで取引している金融機関に「被災者である」ことを伝える必要がある。金融機関にとってみると、ただの延滞なのか、被災したから延滞したのかの判断がつかないからだ。

 銀行で被災者表明をすることで、延滞を取り消す手続きが取られる。延滞利息(年率14%の日割り計算)もいったんは発生するが、申し出することで払い戻しが受けられる。

 当面は住宅ローン返済より他のことを優先してもいいが、被災者である申し出は必ず必要な手続きであることは、しっかり覚えておこう。

 地方自治体が交付する「り災証明書」を持参すると手続きはスムーズになる。他の手続きでも、り災証明書は必要になるので、できるだけ早く申請し入手しておくのが肝心だ。

知っておきたい見直し方法「元金据置」
ローン返済がきびしくなりそうなら、取引支店に見直しの相談に行こう。たとえば、「一定期間の元金据置」をすると、一定期間は利息だけの支払いとなる。たとえば毎月返済額7万円で、内訳が利息2万円、元金5万円だとすると、当面は利息の2万円だけ支払っていけばいい。今は低金利なので利息額が少ないローンが大半。利息だけの支払いですむ「元金据置」を当面の間活用し、元金部分を生活再建のお金に充てるのも有効な選択肢となる。

 元金返済が免除になるわけではないので、生活が落ち着いたところで通常返済に戻すことを忘れずに。一定期間据え置いた元金は、通常返済に戻した際にその分を上乗せするか、返済期間を延長することになる。緊急で生活資金を確保したい間だけ利用するといい見直し方法だ。

2009年12月に中小企業金融円滑化法が施行されたことに伴って、銀行における住宅ローン返済見直しの顧客対応は以前よりずいぶん整備されている。

落ち着いたところで支店に出向き、返済相談に乗ってもらおう。

自宅再建には、災害復興融資がある
住宅を再建するためにお金を借りたい場合は、「災害復興融資」がある。

 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が行う融資で、国のローンといってもいいものだ。自治体から、り災証明書の交付を受けている人が対象だ。

 金利は全期間固定で、基本融資が1.78%、特別加算が2.68%と低利であるのが特徴である(金利は2011年3月22日現在のもの)。

 融資限度額は、建物新築なら基本融資額1460万円+特別加算450万円、補修資金640万円(耐火・準耐火の住宅)など、取得する物件ごとに決まっている。

 住宅金融支援機構「被災者専用ダイヤル」0120-086-353または048-615-0420(土日も実施で9:00~17:00対応)にかけ、手順などアドバイスを受けるといい。実際に借りる手続きをするのは最寄りの銀行となる。

 リーフレットにある「親孝行ローン」の記述は、年老いた親が被災した場合に目を引くのだが、条件が絞られていることに注意。融資対象の住宅は被災住宅と同一市町村内で、「子」は同一市町村か隣接する市町村に住んでいることといった条件がある。

 つまり、「被災地に住む親が年金生活者なので、東京に住む自分がローンを組んであげたい」という親孝行には使えないのである。

 親のために何とかしたい場合は、親自身がローンを組み、子が連帯債務者になるほうが審査のハードルが低い(親も子も収入があることが前提)。

 住宅ローンを組んで取得した住宅が被災し、建築や補修のために新たに借り入れをすると、二重のローンとなり借入額の総額はぐんと増えてしまう。二重ローンを背負うことになる人に対して、国からの利子補給などの施策がされるかもしれないが、残念ながらもとのローンが棒引きになることはない。新たな借り入れについては、時間をかけて慎重に検討したい。
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